マイナス×マイナスはなぜプラス??
中学校で学ぶマイナス(負)の数とその計算。
(例) (-5)×(+2)は、「-5を2個プラスする」という意味なので、-10になる。だが、
(-5)×(-2)は、なぜ+10に??という疑問です。
足し算・引き算は何となくわかるけど、マイナスどうし、かけ算して何でマイナスになるの?
こういった疑問は一度は頭に浮かんだことがあるのではないでしょうか?
今回はこれを解説していきます。
以下、
- (+)×(+)=(+)
- (+)×(-)=(-)
- (-)×(+)=(-)
までは理解できている前提とします。
累減による説明
累減:ある数から一定の数を次々に減じていく算法
はじめは\((-5)×(+3)\)から。\((+3)\)の数字を1ずつ減らして(累減して)いきます。
計算の結果は5ずつ増えていきますね。
$$(-5)×(+3)=-15$$
$$(-5)×(+2)=-10$$
$$(-5)×(+1)=-5$$
$$(-5)×0=0$$
次が\((-5)×(-1)\)になりますが、計算の結果は5ずつ増えていくはずなので、
$$(-5)×(-1)=+5$$
以下、同様に。
帰納的な考えですね。
まだ釈然としないかも、ですね。
分配法則による説明
まず\(a×0)\)からスタートしましょう。0がa個なので答えは0です。
$$a×0=0$$
ですね。
ここで、適当にa=−5としておきます。
さらに真ん中の0を0=1-1とすると、
$$(-5)×(1-1)=0$$
分配法則で-5をかけていくと、
$$(-5)×1+(-5)×(-1)=0$$
$$-5+(-5)×(-1)=0$$
-5を右辺に移項して+5になるので、
$$(-5)×(-1)=+5$$
先ほどより、少しだけ理論的な感じの説明でしょうか?
数直線による説明
全パターン説明していきます。
(+)×(+)=(+)
(例1)(+5)×(+2)
数直線において、+5は原点Oから正の方向(右方向)に5進んだところです。
+5が2個分なので、(+5)×(+2)=+10 …(+)×(+)=(+)ですね。
ここで重要なのは、+と−には向きがあるという事です。
- +は順方向:1つ目に進んだあとの、そのままの向きに進む
- −は逆方向:1つ目に進んだあとの、反対の方向に進む
まず正方向(右)に5進み、順方向に2倍分進める。このように解釈できます。
(-)×(+)=(−)
(例2)(−5)×(+2)
数直線において、−5は原点Oから負の方向(左方向)に5進んだところです。
−5が2個分なので、(−5)×(+2)=−10 …(−)×(+)=(−)ですね。
まず負の方向(左)に5進み、順方向に2倍分進める。
今度ははじめに、左に進んでいるので、左が順方向になります。
そのまま進めてください。
(+)×(-)=(−)
(例3)(+5)×(−2)の計算
慣れてきましたか?
まず(+5)から右が順方向、(−2)から逆方向に2倍分進める。
(+5)×(−2)=-10…(+)×(−)=(−)ですね。
(−)×(-)=(+)
(例4)(−5)×(−2)の計算
まず(−5)から左にが順方向、(−2)から逆方向に2倍分進める。
左の逆になるので右ですね。
(−5)×(−2)=10…(−)×(−)=(+)ですね。
まとめ
(−)×(−)=(+)の説明、いかがだったでしょうか?
イメージで言うと「裏の裏は表」みたいな感じでしょうか。
数学のルールは直感的に理解しにくい所があります。
しかし「そのように決めるとうまくいく」ので、数学の学問体系として成立しています。
3つ紹介しましたが、どれか自分の中で腑に落ちたものがあれば幸いです。
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