幾何学の幾何ってどういう意味?
数学には幾何学(きかがく)という分野があります。
普段使う言葉でも「幾何学模様」といった言葉がありますね。(上の写真がそうですね)
幾何学は英語で「geometry(ジオメトリー)」といいます。
ではなぜ「幾何」という言葉を使っているのでしょう?「幾何」の意味は?
知らない方も多いのではないかと思います。今回はこのことについて見ていきましょう。
英geometryの意味
古代エジプト
話はさかのぼりますが、古代エジプトでは毎年ナイル川が氾濫し、同時に上流から栄養のある土が運ばれてきました。
その土地は田畑として活用し、作物を収穫。人々の生活を支えてきました。
しかし毎年の川の氾濫後、土地の復元が必要です。その時に、「縄張り師」という測量士が活躍しました。
縄張り師は、現在のような機械で測量していたわけでなく、「縄と杭」だけで測量をしましたが、高度な測量技術を持っていたといわれています。
古代ギリシャ(紀元前6世紀ごろ)
その後、ギリシャの商人ターレスはエジプトを訪れ、測量術を学びました。
そしてギリシャに帰国後、これを材料に図形としての学問をつくり上げました。
すなわちターレスは、エジプトの直感的技術を整理し、理論的学問にしたのです。
ここで幾何学の語源があります。
ターレスは「geo=土地」を「metry=測る」学問なので「geometry」と名付けました。
ターレスは幾何学の開祖という事ができますね。
幾何の意味
実は「幾何」は中国語。なんか馴染みがない感じ(漢字)がするのはそのためです。
詳しく述べると、幾何の語源はgeoの発音が「ジェオ」。
このその音を中国語に当てはめると「幾何(ジィー)」になるため。
明治初期の日本の算術書には「面積幾何(めんせきいくばく)」といった形で、幾何という文字が日本語の中に取り込まれました。
参考文献.『幾何学原本』(マテオ・リッチ、徐光啓著)
その他
他の中国語からきている数学用語について見てみましょう。
方程
方程式の「方程」も中国語。
紀元前1世紀の書籍「九章算術」の中の「第八章 方程」から来たものだと言われています。
「方程」に「式」をつけて「方程式」としたのは日本人です。
また「算術」も中国語ですね。
函数
現在使用されている「関数」という文字、戦前までは「函数」といった文字でした。
「関数」となったのは、戦後の当用漢字に切り替わってから。
「関数」は英語でfunction(ファンクション)だが、これを中国漢字に直すと「函数(ファンスー)」となります。
これが日本に伝わったということです。
まとめ
いかがだったでしょうか?幾何や方程、関数といった言葉の語源を少しだけ触れてみました。
文字に歴史ありですね(^^)
興味のある方はいろいろと調べてみるのも面白いですよ!
コメント