フローレンス・ナイチンゲール(1820-1910)はイギリスの看護師、「白衣の天使」としても有名です。
戦争で傷ついた兵士を献身的に看護し、医療に大きく貢献しました。
今回は、彼女の残した大きな功績についてみていきたいと思います。
実は統計学者だった
看護師としてのイメージが強いナイチンゲールですが、実は統計学者としても有名です。
彼女の生きていた時代は戦争が多く、負傷した兵士が病院に送られてきましたが、
当時の戦地にある病院は、決して衛生的ではありませんでした。
そこでナイチンゲールは毎月の死者数とその原因を記録。
その結果、多くの兵士が戦闘による怪我でなく、医療体制の不備や、病院の非衛生的な環境のために死亡している事をつきとめました。
こうもりの翼(レダーチャート)
ナイチンゲールは調査の結果を「こうもりのつばさ」と呼ばれるグラフにまとめました。
↑兵士の死亡率が視覚的に分かりやすくまとめられている
当時はまだ円グラフも棒グラフもなかった時代です。
このグラフがとても有名になり、戦地にある病院の衛生環境を良くする必要性が、多くの国会議員に理解されることになりました。
その後、病院の衛生状態は改善され、怪我や病気で亡くなる兵士の数も減っていきました。
この「こうもりのつばさ」のグラフ形は今日、クモの巣チャート(レーダーチャート)と呼ばれています。
人間を数字で納得させる上で、視覚的な効果がいかに高いかが、分かりますね。
ナイチンゲールはその後、看護学校を設立するなど、「近代看護教育の生みの親」として多くの人々から尊敬をされていますが、統計学者としても一流だといえますね。
コメント